欧州議会は3月13日、欧州域内で販売される携帯電話などの無線機器への統一規格を採用する方針を可決しました。今後、iPhoneもLightningからMicro USBへの切り替えが進むと見られます。一方で現行規格からの切り替えには課題もありそうです。
3年程度でMicro USBに移行。背景には環境と消費者保護
欧州議会が可決したのは、携帯電話や自動車のドアリモコンなどの無線機器に使用されている充電ケーブルをMicro USB規格に統一する議案です。昨年末に発表されたスケジュールによると、2014年3月の採決後、3年程度で統一規格の採用が義務付けられる見込みで、2017年春には新規格への対応が義務化されることとなります。
統一規格の背景には、ヨーロッパ流の環境保護と消費者保護の思想があります。各社の充電端子が統一されていないために、買い替えのたびに充電ケーブルのゴミが出て、製造コストが消費者負担に転嫁されるのは合理的ではない、という思想があります。
iPhone7までには新規格採用か?
今回の新制度にはAppleもSamsungやNokia、SonyEricssonなどと参加しており、各社がヨーロッパで販売する端末は、充電・通信にMicro USB端子を採用するか、変換アダプタを同梱する必要があります。Android陣営はすでにMicro USBを採用しているため、Appleの動向が焦点となります。
2012年にiPhone5とともにデビューしたLightning規格は、3年程度で統一規格に切り替えられると見られます。iPhoneのモデルチェンジがこれまで同様と仮定すると、2014年秋のiPhone6→2015年秋のiPhone6s→2016年秋のiPhone7と進化する過程のどこかで、新規格への対応が必要となります。
「Made for iPhone」認証は廃止?品質と安全性の確保が課題に
Appleは現在、iPhoneの充電や通信を「MFi (Made for iPhone/iPad/iPod)」認証を取得した製品に限定してきました。この1月からMFi認証のライセンス料は引き下げられているようですが、新規格が導入されれば、MFi認証プログラム自体が廃止されるかもしれません。
MFi認証には、Appleのライセンス料収入に加えて、ケーブルや端子の品質を担保する意味合いもあり、品質の低いサードパーティ製ケーブル使用による火災などの事故を防ぐ目的もありました。統一規格への移行にあたっては、品質と安全性をどう確保するか、も課題となりそうです。
Apple純正のMicro USB →Lightning変換アダプタはすでに販売されていますが、当面は移行期間としてアダプタを同梱するのか、早期にMicro USBを採用するのか、Appleの動向が注目されます。
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