80万人以上が順番待ちのメール管理アプリ「Mailbox」大人気の理由
2013.02.27 14:53
現在80万人以上のユーザーが利用開始の順番待ちをしているiPhone用アプリ「Mailbox」。このアプリは「受信箱が空」という稀有な状態を達成できるよう支援し、ユーザーのメール体験を一変させる。(ロイター)
この「Mailbox」アプリは今月配信がスタートした。利用開始には予約が必要で、現在は順番待ちの列がゆっくりと処理されつつあるところだ。開発元によれば、こうした反響の大きさは、ユーザーが既存の時代遅れのメールの処理方法に対してフラストレーションを抱いていることの証だという。
「今のモバイル版メールクライアントは、デスクトップ版メールクライアントの単なる縮小版にすぎない。このアプリはそうしたクライアントから、メールの処理と仕分けに重点を置いたモバイル版クライアントへと大きなシフトを果たしている」とMailboxアプリの開発元であるOrchestraの共同創業者兼CEO、ジェントリー・アンダーウッド氏は語っている。
Mailboxアプリの最大の特徴の1つは、メールを読むタイミングを先送りできる「スヌーズ」機能にある。あとで読むタイミングは「その日」「週末」「来週」など、自由に設定が可能だ。
「『今返信する必要があるか』『返信は後からでも大丈夫か』『今すぐ消去して放っておいてもかまわないメールか』といったことをその場で決定できるようにしたい」とアンダーウッド氏。
このアプリのもう1つ大きな強みは、メッセージの保存や削除、分類をスワイプ操作で素早く行える点にある。メッセージを「to read」や「to buy」といったリストに仕分けるのも簡単だ。
Orchestraは、to-doリストアプリ「Orchestra」も開発している。同社は、デビッド・アレン氏が自著『Getting Things Done(仕事を成し遂げる技術)』で提唱している仕事術からインスピレーションを得たという。この著書で提唱されている「すぐにやる、人に任せる、先送りする、やめる」というルールは、メールの受信箱を常に空にしておく上でも役立つというわけだ。
「すべてをあるべき場所に収めることで、心の安らぎを得られる。従来とは全く異なる体験だ」とアンダーウッド氏は言う。
ただし同氏によれば、このルールには1つ問題もあるという。それは、先送りにしたタスクを保管しているフォルダを定期的に確認するという自律性が求められる点だ。この問題を解消すべく、Mailboxではスヌーズ機能が適用されたメールについては、先送りされた当日にプッシュ通知を提供するようになっている。
「ニンジャのように鍛錬を積まなくても、この上なく快適なユーザー体験を突如手に入れられる。それが秘伝のソースとなって、この幸福感に満ちたユーザー体験の提供につながっている」と同氏。
同社はこのアプリの利用開始の手続きを毎日進めているが、具体的なスケジュールは明言できないとしている。アンダーウッド氏によれば、同社のシステムには標準的なアプリよりも難しい課題が多く、順番待ちの時間はシステムの安定性を維持するためには欠かせないのだという。
「メールサービスのようなシステムのスケーリングは非常に難しい。大量のデータや各種の例外的な状況に対処する必要があるからだ。メールやファイル添付など、あらゆる言語のコンテンツに対応しなければならない」とさらに同氏は続けている。
なお、Mailboxアプリにはカウントダウンが用意されており、順番待ちをしているユーザーは自分の最新の順番を確認できるようになっている。
MailboxアプリはiPhoneのネイティブなメールアプリにはない新機能を各種搭載している。ただし、複数のメールを同時に編集したり削除したりする機能は備えていない。
Mailboxアプリは現在Gmailにのみ対応しているが、同社は今後そのほかのメールやプラットフォームにも対応を拡大していく方針という。現在Mailboxアプリは世界各地で提供されている。
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